会話中に突然、上司がしかめっ面になったりすることはありませんか? そんなときは、いつのまにか上司に使うべきではない言葉遣いをしていたのかも……。
今回はマナー講師の筆者が、やりがちな“上司へのNG言葉遣い”を3つご紹介します。
(1)「わかりました」
ビジネスの場で「わかりました」はやや子どもっぽく信頼感に欠ける印象になってしまいます。
この場合は「かしこまりました」または「承知いたしました」が正解。
とくに新入社員の場合は“学生気分が抜けていないのではないか”と思われしまうので気をつけましょう。
なお、この「承知いたしました」「かしこまりました」は「これはちょっと無理だ……」と思う上司の提案に対しても使います。
上司に向かって「できません」「無理です」というワードは失礼になってしまいますので、まず「承知いたしました」と受け入れてから、どうしても無理なことを上司に相談するようにしましょう。
(2)成功した喜びを「やりました!」
営業やプレゼンで結果を出したときに「やりました!」と言うのはNGです。
なぜなら、多くの会社では仕事は大人数でするもの。自分の活躍で成功したにせよ、相手を立てるビジネス用枕詞も必要です。
「〇〇部長のお力添えのおかげで成功しました」とすれば上司もニンマリですよね。
同じ内容ですと「楽勝です!」というのも控えたほうがいいでしょう。「非常にスムースにことを運べました」とすると印象アップ。さらに「おかげさまで」をつければなおよしです!
(3)「この間の企画どうなっていますか?」
上司に企画を出したら、なるべくはやく結果を聞きたくなるもの。
しかし「どうなっていますか?」は失礼ワード。
これは催促する言葉で上司や目上の人に対しては使っていけないとされています。
正しくは「ご検討いただけましたでしょうか?」となります。他の言い回しとしては「◯◯は、お手元に届いておりますでしょうか」や「◯◯の件は、その後いかがでしょうか?」などがおすすめです。
上司に対して催促するのはNGだとしても状況次第で「これ以上待てない!」というデッドラインも存在しますよね。
そんなときは、急いでいる理由を添えるのもいいでしょう。「いただいた資料をもとに、本日会議を開くことになっておりまして……」など具体的な業務を添えると効果的ですよ。
知らないうちにいつのまにか使っている失礼言葉。普段から気をつけて、NG言葉遣いを卒業しましょう。
文/前濱瞳 画像/PIXTA(ピクスタ)(Greyscale、kikuo、Fast&Slow) 参考文献/『大人のマナー 敬語の便利帳』(青春出版社)