仕事に慣れてくると、つい気がゆるんで、学生時代の延長のような言葉遣いをしていませんか?
今回は、国際基準マナー講師の筆者が、ほんの少し言葉遣いを変えるだけで、オフィスでグッと印象がアップするビジネスワードをご紹介します。
(1)「すみませんが」と「恐れ入りますが」
誰かに何かをお願いしたいとき。
「すみませんが……」と言うのも間違いではありませんが、もっと丁寧に伝えたいときは「恐れ入りますが」「お手数ではございますが」「お手を煩わせて恐縮ですが」などを使いたいもの。
そして「お願いします!」と言い切るような表現ではなく、「お願いできますでしょうか」「お力添えいただけないでしょうか」と、相手の都合を尋ねる“依頼形”を使えると角が立たず、好印象に。
(2)「できません」と「いたしかねます」
やむを得ず力になれなくて、お断りするとき、ただ「できません」のひと言だけでは寂しいもの。
「申し訳ございませんが」「あいにく」「お役に立ちたいのですが」などのクッション言葉を一緒に使って、「できかねます」「いたしかねます」と伝えるようにしましょう。
(3)「わかりません」と「わかりかねます」
先方から突然の質問があり、答えがわからないときにはつい焦ってしまいますよね。
そんなときに「わかりません」「知りません」と答えていませんか?
こんなときは「わかりかねます」「存じ上げません」を使うと、相手にも印象よく映りますよ。
(4)「どうしますか?」と「いかがなさいますか?」
上司や取引先に今後の予定を確認したいとき、とっさに「どうしますか?」と聞いていませんか?
こんなときは「いかがなさいますか?」と確認するようにしましょう。
特に、社外の方に伺う際には覚えておきたい表現です。
(5)「見てください」と「ご覧ください」
相手に書類をお渡しする際は「見てください」ではなく「ご覧ください」を使いましょう。
反対に、自分が確認する際は「見てみます」ではなく「拝見いたします」という表現を使います。
相手から贈り物やお土産などをいただいた際は、「頂戴いたします」とひと言添えられるとさらにエレガントですよ。
また、コートや大きな荷物を預かるときには「荷物を預かります」ではなく、「お荷物をお預かりいたします」、雨の日、雪の日、段差がある場所などでは、「足元に気をつけてください」より「お足元にお気をつけくださいませ」を使うと、相手にあたえる印象もかなり変わってきます。
同じような意味を持つ言葉でも、言い換えるだけでグッと好印象に。
今回ご紹介したフレーズを使いこなして、すてきなレディを目指しましょう!
文/大網 理紗
リサ・コミュニケーションズ代表。一般社団法人100年先のこどもたちへ代表理事。
世界の王室・皇室・政府要人といったVIP接遇とアナウンス業務に従事。その経験を活かし、話し方、マナーの指導にあたる。主な著書に『世界で通じる至高の作法』『人生を変えるエレガントな話し方』など。
画像/Shutterstock(metamorworks、YAMATO、saki、Fast&Slow) 参考文献/大網 理紗『人生を変えるエレガントな話し方』(講談社)