春といえば、出会いと別れの季節。
新入社員や中途採用社員を快く迎え入れたり、人事異動や退職によって去る人の労をねぎらったりと、歓送迎会に参加する機会が増えてくるのもこの時期です。
そこで今回は、国際基準マナー講師の筆者が歓送迎会のマナー5つをご紹介いたします。
(1)席次に配慮する
堅苦しい会でなかったとしても、席順には気を配りたいもの。
上司や先輩を上座に案内し、自分は出入口に近い下座に座りましょう。
また、積極的にドリンクのオーダーをとるなどの心配りも大切に!
(2)乾杯の仕方に注意
歓送迎会で欠かせない乾杯。
実は、乾杯はグラス同士をぶつけないのが正式なマナーと言われています。
目の高さに持ち、相手の目を見てグラスを掲げ、アイコンタクトで乾杯をします。改まった雰囲気の歓送迎会では、グラス同士を合わせるのは避けたほうがベター。
ただあくまでも大事なのは周りの雰囲気、TPOを考えることです。たとえばビールジョッキは分厚くできているうえ、カジュアルな雰囲気のお店で使われるものなので、ぶつけてもOK。
ただし目上の方と乾杯する場合は、相手よりグラスをほんの少し低い位置に下げて乾杯するようにしましょう。
(3)食べるスピードの調整
大勢で集まって食事をする際、実はとても大切なのが周りの人と食事のスピードを合わせること。
周りを顧みることなく、マイペースに食事をするのはNG!
食べるのが早い人は、積極的に会話をして食べるスピードを調節したり、遅いときは聞き役にまわって相づちを打ちながら、食べるのに時間をかけたりと調整してみましょう。
(4)失敗をフォローできるのが上級者
マナーを心得ているというのは、相手の間違いや失敗を指摘することではなく、誰かをフォローできる余裕をもちあわせているということ。
たとえば、相手がお酒をこぼしてしまったとき「わあ!大丈夫!?」と騒いでしまったら、相手は余計に焦ってしまうはず。
こぼしたことに気づいていなかった周りの人たちにまで、ミスを知らせることになってしまいます。
何事もなかったように、お店の人を呼んだり、相手のミスを目立たなくしてあげるようなさりげないフォローができたら上級者です。
(5)お礼を忘れずに
歓送迎会の主催者や幹事にはもちろん、一緒に同じ時間を過ごした人たちへのお礼や労いの気持ちを忘れずに伝えましょう。
その際、選んでくれたお店の素敵だった点などもあわせて伝えたら喜ばれますよ。
歓送迎会は、職場の雰囲気を和やかにしたり、部署の結束を強くしたりするのが目的でもあります。
マナーと気遣いをもって、歓迎される人も、送る人も楽しめたら素敵ですね。
文/大網 理紗(おおあみ りさ)
リサ・コミュニケーションズ代表。一般社団法人100年先のこどもたちへ代表理事。
世界の王室・皇室・政府要人といったVIP接遇とアナウンス業務に従事。その経験を活かし、話し方、マナーの指導にあたる。主な著書に『大人らしさって何だろう。』『人生を変えるエレガントな話し方』など。
画像/PIXTA(ピクスタ)(zon、Fast&Slow、nonpii、ふじよ) 参考文献/大網 理紗『超一流のVIPたちに教わった 世界で通じる至高の作法』(大和書房)