社会人にとって、正しい敬語のマナーは絶対に身につけておきたいもの。
「知らず知らずのうちに上司に失礼な言葉遣いをしていた!」なんて状況、想像するだけでゾッとしてしまうのではないでしょうか?
そこで今回はマナー講師の西谷依里子さんに、日常でついつい使ってしまう“間違いやすいNGフレーズ”を教えてもらいました。
(1)「了解です」
物事を了承するときに使ってしまいがちな「了解です」。実はこのフレーズ、目上の方が目下に対して使うもの。上司に使う言葉として適切ではありません!
「承知しました」「かしこまりました」に言い換えたほうがベターですね。
(2)「なるほどですね」
「なるほど」と「あなたの言う通りですね」の二つの意味合いを勝手にくっつけた言葉として使ってしまっていませんか? そもそも文法的に考えると、「なるほど」は副詞であるため、直接「です」をつけることができませんね。
それだけでなく、「なるほど」は相手の言った内容を評価し、自分が納得したときに使う言葉。もちろん上司を評価することは失礼ですね。
「確かにおっしゃる通りです、勉強になります。」など、言い方を工夫するといいでしょう。
(3)「ご一緒します」
たとえば食事に誘ってくれたときに返す言葉として、使ってしまいがちな「ご一緒します」。
しかしこの言葉、適切な敬語ではありません!
上司に対する敬意を込めて「ご一緒させていただきます」や「お供させていただきます」など、謙譲語を使ったほうが自然ですね。
(4)「ご苦労さまです」
「ご苦労さまです」は、目上の人が目下の人にかける“ねぎらいの言葉”。本来、上司に対して使う言葉ではありません。
上司、部下と立場関係なく使える「お疲れさまです」を選びましょう。
(5)「お久しぶりです」
「お久しぶりです」は、自分の立場に近い関係にある人に使うあいさつの言葉。
友人や親しい先輩などであれば、問題ありません。
目上の方に対しては、「お久しぶりです」よりも丁寧な「ご無沙汰しております」のほうがベターですね。
(6)「私には役不足です」
たとえば上司からなにかチャンスをもらったとき、「その役を務めるには自分の力が不足している」ことを伝えたいのであれば、「力不足」が正解です。
「私には役不足です」と言ってしまうと、逆の意味になってしまうので要注意ですよ!
(7)「お暇なときにでも」
社会人にとって、暇な時間なんてありませんよね。受け取り方によっては不快にさせてしまう場合もあるので、使用を控えましょう。
代わりに、「お手すきの際に」という言葉を使いましょう。
(8)「大変参考になりました」
「参考」という言葉は、「自分の考えを決める際の足しにする」といった意味。目上の方に対して使う言葉として実は適切ではありません。
上司からのアドバイスには「大変勉強になりました」のほうがいいでしょう!
正しい言葉遣いは、上司とより良い関係を築くために必要不可欠。上司だけでなくお客様や取引先、同僚に対してもTPOに合った言葉を選んでいきましょう。
文/西谷依里子 画像/PIXTA(ピクスタ)(Zi-Ae.Yoo、xiangtao、EKAKI、Claudia、Pangaea、maruco、Fast&Slow、chachacha)