就職活動の序盤に行う自己分析ですが、学生がやりがちな自己分析の落とし穴がいくつかあります。特に覚えておいてほしいのは、価値観は環境や経験で変わるものだということ。過去の自分だけにとらわれず、未来志向が必要です。
教えてくれるのは佐藤裕さん
パーソルグループにて新卒採用統括責任者を務め、若年層向けキャリア教育支援プロジェクト「CAMP」キャプテンも兼任。はたらクリエイティブディレクターとして、これまでにキャリア育成で関わった学生は15万人以上という就活のプロ!
就活生が陥りがちな自己分析の間違い
01 書けたら、友達同士で批評し合います。
【佐藤裕さんからのアドバイス】
「学生同士で話しても 意味なし!」
助言を受けるなら、社会人5年目以上のマネジメントを経験している人。そしてさまざまな業界へ目を向けている人がいいですね。最近はオンラインサロンも充実していますから、そういったところに参加をしてみるのもいいと思います。
02 “ガクチカ”をまずは 書き出せばいいですよね?
【佐藤裕さんからのアドバイス】
「“ガクチカ”だけではダメです。」
ガクチカ=学生時代に力を入れたこと。たいてい、留学やボランティア、ゼミが挙がりますが、これらのエピソードだけではアピールには弱いです。それらの経験によって、価値観やスキルがどのように変化したのか。そこで得たことに焦点を当てて語りましょう。
03 何カ月もかけて 自己分析したほうがいいですよね?
【佐藤裕さんからのアドバイス】
「90 分で十分です。」
まずは自分の行動原理を箇条書きし、その項目の横にそれぞれのストーリーを書き出します。ストーリーがたくさんあると、会話の相手に合わせて自分から出せる話題が増えます。時間をかけすぎると、かえってよくわからなくなるので短時間で。
04 まずはこれまでの経験を話してみようと思います。
【佐藤裕さんからのアドバイス】
「自分のアピールポイントから先に!」
学生はガクチカなど、経験から先に話すことが多いですが、まずはそれをやめましょう。自分の長所を見つけて、なぜその強みが生まれたのか、その要因のひとつとしてガクチカなどの経験を盛り込むほうが、人事も気になる自己アピールに。
05 とにかく強みはひとつあればいいですよね?
【佐藤裕さんからのアドバイス】
「ひとつじゃ足りない! 弱みも自覚しよう。」
弱みを知ることは、自己認知につながります。弱みがわかるから、進化できる。ただし、すぐに弱みを強みにすることは難しいので、まずはどのように弱みを克服するか考えて。また、強みは企業が求めていることに合わせるため、複数あると◎。
取材/川端宏実 JJgirl・laboプロデュース/仁科ゆり、平林保奈美〈cosaji〉 編集/小林麻衣子
※この記事はJJ9月号を再編成したものです。