私たちの生活に欠くことができないSNS。友達とのやり取りや発信ツールとしても便利だけど…。誰でも一度は、悲しいことや怒ったことがあるはず。今回は〝映え〞はナシ。真面目にSNSとの付き合い方を考えます。
人を極限まで追い込むことも…ネット中傷が招く悲劇。
はるかぜちゃんはどう考える?
SNSに虚偽の内容を投稿され名誉を傷つけられたとして、書き込みをした人物に対して慰謝料を求める訴訟を起こしていた“はるかぜちゃん”こと女優の春名風花さん。どうして訴訟を起こしたの? 今のSNSについてどう思う? 彼女だからこそのSNSへの思いを教えてもらいました!
【PROFILE】
2001年2月4日生まれ。神奈川県出身。
女優・声優として映画や舞台に出演。幼いころからネットで発信を行い、率直な意見が注目される。現在Twitterは告知専用として運営。YouTube『春キャベツ王国』を更新中!
長い間苦しめられてきたネットでの誹謗中傷。
9歳でTwitterをはじめた当初から、ずっと誹謗中傷を受けていました。攻撃的なコメントのほかにも、住所を特定されて家や学校のまわりで待ち伏せされたり…。そんなことが頻繁に起こっていたので、警察へはよく相談をしていたんです。でも解決にはなりませんでした。
高校生になり弁護士さんに相談をするという手段を知り、いろいろ調べていく中で、今回お世話になった田中一哉弁護士に出会えました。SNSのトラブルは、ネットに強い弁護士さんにお願いしたほうがいいです。プロバイダーやサイトとのやり取りは慣れている弁護士さんでないと、時間がかかってしまうこともあるので…。
葛藤もあった…訴訟を起こしてから示談に応じるまでの道のり。
2018年の10月に田中弁護士に相談をしてから、2年弱。その間、自分は高いお金を出して弁護士さんにお願いをしたけれど、本当に勝てるのか…?と不安になることも多くて辛かったです。
訴訟を起こしてから、相手側から2回示談の交渉がありました。1度目は「お金は払わないけど、希望があれば謝罪する」という内容。これでは相手は罪の償いにならないので、申し出を断りました。そして今回、2回目の申し入れで、315万4000円の支払いを提示され、示談に応じることにしました。
本来であれば、これまでの罪をしっかり償ってほしかったのですが、今の法律では名誉毀損や侮辱罪では罰則がとても軽いんです。このまま裁判を続けるよりも示談を受け入れるほうが、相手にも反省をしてもらえると思い、決断をしました。
トラブルに見舞われたら? はるかぜちゃんからのアドバイス。
もしもあなたが、SNSで悲しい思いをしたら、まずはその投稿のスクリーンショットと、その投稿のURLを残しておいてください。そして、すぐに訴訟を起こすつもりがなくても、ネットトラブルに強い弁護士さんを調べておきましょう。最近はSNSトラブルの無料相談を行っているところもあるので、困りごとが起こったら相談してみるのもいいと思います。
取材/川端宏実 編集/宮島彰子
※この記事はJJ10月号を再構成したものです。