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赤楚衛二 vs. 杉野遥亮による水曜22時の対決がぼっ発!? 見どころだらけの夏ドラマを人気コラムニストと元JJ編集長が勝手に予想!【前編】
いよいよ夏ドラマが始まります! 森七菜、間宮祥太朗らによる月9青春群像劇の復活、福原遥が朝ドラ以来、初の地上波ドラマ主演と、話題だらけの7月期ドラマ。ただ、問題は作品が多すぎて「どれを見たらいいの?」。見逃し配信はあるけれど、私たちの眼球は二つ、時間も有限。どうせなら面白いドラマを厳選して観たいじゃないですか。
そんなリクエストに応えるための『JJドラマ部 2023夏ドラマで一番面白いのはコレだ!勝手に予想』。二人とも揃ってドラマファンのコラムニスト小林久乃と元JJ編集長イマイズミが、月曜から日曜まで「絶対面白い!」と予想したドラマを投票。それぞれの推しドラマの見どころを、ゆる〜く、面白おかしく対談します。
フレッシュな脚本家投入で、また新しいブームが起きそう!
小林久乃(以下、小林):今回は二人が気になった作品について、好き放題しゃべっていこうということですが…、まずは全体を見て、気づいたことはありますか?
元JJ編集長イマイズミ(以下、イマ):新人脚本家の投入が多いのは気になりますね。『真夏のシンデレラ』(7月10日(月)/フジテレビ系列)は、去年のフジテレビヤングシナリオ大賞を受賞した市東さやかさん。あと、8月スタートの『ハレーションラブ』(テレビ朝日系列)の若杉栞南さんも、テレビ朝日新人シナリオ大賞を受賞。こういう若手脚本家の起用は、『silent』(2022年/フジテレビ系列)で抜擢された生方美久さんの影響ですよね。
小林:T B Sも『TBS WRITERS CHALLENGE 2023』という企画で、脚本家の発掘を始めるそうです。いや〜、こういう若い力でドラマが盛り上がりそう。
イマ:若い力といえば、今回のフジテレビ月9『真夏のシンデレラ』に二人とも期待の一票を入れましたね。
小林:これ、夏!海!青春群像劇!ってところが王道でいいんですよ。私たちが若かった頃って『ビーチボーイズ』(1997年)、『天体観測』(2002年)と、やたら夏の青春群像劇が放送されていたんですけどね。今回は『好きな人がいること』(2016年/すべてフジテレビ系列)以来、7年ぶりのラブストーリーじゃないですか。
イマ:これ、出演者全員が美男美女じゃない? ほら、昔でいう柳沢慎吾とか片岡鶴太郎とか、お笑いを取りにいくようなポジションの役者さんがいたけど、今回はいないんだね。
小林:男性側がエリートで、女性側が地元の普通の子たちという設定というのも気になります。
イマ:森七菜ちゃんは『この恋あたためますか』(2020年/T B S系列)で見せた、ちょっと気の強い感じじゃないほうの演技…を期待してもいいですかね。みんな旬の俳優だけど、若さゆえ演技が心配かもなって。
小林:大丈夫。そこは恋の当て馬役をやらせたら20代俳優でNo.1の間宮祥太朗くんが、確かな演技で何とかしてくれると思います! ちなみにNo.1は個人の感想です(笑)。
イマ:(笑)。では、火曜日に行きましょう。『シッコウ!! ~犬と私と執行官~』(テレビ朝日系列)の第一話観ました?
小林:観ました。うーん、今のところ5点中、3点。伊藤沙莉ちゃんが主役なのはいいんですけど、久々にバイプレイヤーで登場した織田裕二の濃いキャラと噛み合っていなかったかも。いったん様子見ですね。
イマ:小原樹(織田)がまあまあ年食ってるのにまだ執行官1年目で、何かを抱えているっぽい設定。上野原美鶴(板谷由夏)とか、他のバイプレイヤーたちが動き出したら物語が変わりそうです。ところで、何で夏なのにキャスト全員が冬服なんですかね。織田裕二、トレードマークがコートになると一気に青島刑事感が…(笑)。
小林:火曜日は他に、私だけ一票を入れた『18/40(エイティーン/フォーティー)~ふたりなら夢も恋も~』(7月11日(火)/T B S系列)。これは主演:深田恭子というだけで入れました。あのメリハリボディも可愛らしさも好きですねえ。
イマ:それ、演技とか関係ないですね(笑)。
小林:あとは福原遥さんが、予期せぬ妊娠をしてしまうという役。彼女、朝ドラ『舞いあがれ!』(2022年)以来、初の地上波ドラマなんですよ。朝ドラ後の出演作ってすごく難しい。イメージを継続するのか、脱皮するのか。近年だと、有村架純ちゃんが『ひよっこ』(2016年/ともにNHK総合)から『中学聖日記』(2017年/T B S系列)で、生徒と恋に落ちる役をやって成功したことを覚えていますが…。今回はどう出るか楽しみです。
イマ:だから、脇を固める俳優も超重要。鈴鹿央士くんとか、片平なぎささんに、松本若菜さんも出演するんですね。これはいい。めちゃくちゃ固いです。
私たち女性は、赤楚衛二、杉野遥亮という四文字にとても弱い生き物です…
小林:水曜日の放送はちょっと意見が分かれました。まずは、二人とも「観ます」を選んだ『こっち向いてよ向井くん』(7月12日(水)/日本テレビ系列)。いや、女性というか、中高年女性は“赤楚衛二”の四文字にどうしたって弱いんですよね(笑)。内容うんぬんの前に彼が出ているということで、視聴欲にブーストがかかる。
イマ:これ、きっと良質なラブコメになりますよ。原作漫画を読んだんですけど「すごく今どきだなー」と思いました。令和版の恋愛名言が視聴者に刺さりそう。それに赤楚くんが演じる向井悟役はモヤモヤ&うじうじキャラって…、もうピッタリじゃないですか! 知らない間に独身が長くなって、恋愛の現場に復帰しようとしたらズレまくりって、本当アラサーあるある。この作品で、彼はまた人気が上がりそう。
小林:赤楚くん、労働基準法ガン無視でよく働きますよね〜。ずーっとドラマで観ていますもん。
イマ:でも、今年だけで『どうする家康』『ブラッシュアップライフ』『それってパクリじゃないですか?』(多すぎて中略)『あなたがしてくれなくても』と出まくってる野間口(徹)さんには敵わないと思いますよ(笑)。
小林:確かに。そして水曜22時で放送がダダ被りの『ばらかもん』(7月12日(水)/フジテレビ系列)は杉野遥亮くんが主演で、赤楚くんと期せずしてか、狙ったのかイケメン対決になりました。一票を入れたのは私ですね。
イマ:入れた理由は…?
小林:杉野遥亮くんですね…(笑)。赤楚くんと同じですが、この四文字に女性は弱いのですよ。あと、彼はプライム帯の連続ドラマは初主演ということで、やっぱり応援したい気持ちが募ります。
イマ:それは男でも分かりますよ。二人とも育ちが良さそうで、ギラギラしていないし、娘婿にしたい雰囲気があります。これも漫画原作で、書道家の話ですよね。子役と絡んでいく感じとか、ちょっと興味ある。
小林:都会育ちの半田清舟(杉野)が書道の家に生まれ、とある騒動で父親に怒られて、人生修行のために五島列島で一人暮らしか。朝ドラもそうでしたけど、最近は五島列島でロケが多いですよねえ。
イマ:五島列島って移住先としての人気も高い。離島だと隔離されるから撮影もしやすいんじゃないかしら。気持ちのいい抜けもあるし、これどっちが勝つかな。ハートフルなストーリーは中高年だけではなくて、シニア層にも人気が出そう。
小林:これは甲乙つけ難いです。では、木曜日。イマイズミさんが入れた『ハヤブサ消防団』(7月14日(木)/テレビ朝日系列)。うわ〜、最近、テレ朝がかっ飛ばしていますねえ。
イマ:キャスティングがすごいんですよ。新婚ホヤホヤの中村倫也、『silent』で人気爆発の川口春奈、『エルピス』(2022年/関西テレビ・フジテレビ系列)の岡部たかし、『サンクチュアリ -聖域-』(Netflix)の一ノ瀬ワタル。ここ最近の人気の波に乗った人たちが揃っている。
小林:岡部たかしさん!! 少し前に取材させてもらったんですけど、話が面白かったですもん。もう、20年以上下積み生活を送っていたというだけで…(涙)。ご本人もいい人でした。ただな〜、原作の池井戸潤は2、3冊しか読んだことないですけど、ドラマ化するのはやっぱり男性サラリーマン向けのイメージが…。
イマ:女性からはそういう声を聞きますよね。主役の三馬太郎(中村倫也)が崖っぷちの作家で、移住先で消防団に入団か。この人が次々と事件を解決していくんだろうな。
小林:崖っぷちの作家って、同業としては観ながら震えますね…(笑)。
◆酒は一滴も入っていないのに、止まらぬドラマファン二人の会話。後編へ続く(7月13日公開予定)
小林久乃(こばやし・ひさの)コラムニスト、編集者。正々堂々の独身。中学生から地上波ドラマを愛して30年以上、筋金入りのオタク。好きが高じてついには『ベスト・オブ・平成ドラマ!』(青春出版社刊)を上梓した。ラブストーリーが好きで、特に禁断の恋がテーマとなると視聴熱が俄然、盛り上がる。公式H Pはhttps://hisano-kobayashi.themedia.jp
元JJ編集長イマイズミ 女性誌『CLASSY.』『JJ』の編集長を歴任。1クールの地上波ドラマを全録画するようになったのは、編集長になった13年ほど前から。「仕事で新しい俳優、タレントさんを覚えるため」というのが理由だったけど、見事に大ハマり。ホームドラマとラブコメ好き。韓国ドラマもやや中毒。
(構成/小林久乃 イラスト/lala nitta)