仕事をしていると、「もっといい言い方があったらな」「この言い方って正しいの?」と思うことはありませんか。
そこで今回は、気を付けたいビジネスフレーズと、その状況に合った役立つ表現をご紹介します。
(1)「WEBを担当させていただいております○○と申します」
春になると部署異動があったり、新しい仲間が増えたりと、自己紹介をする機会が増えますよね。
自己紹介の際によく耳にするのが「~をさせていただいております」の多用です。
使いすぎると“くどい”言い回しに聞こえたり、 “頼りない”“自信がない”印象を与える可能性が。
「させていただく」は、相手の許可を受けて行うときに、また、そのことで恩恵にあずかるときなどに使います。
自己紹介の場合は、「WEBを担当しております○○と申します(WEB担当の○○です)」がベターです。
(2)「社長よりご挨拶をいただきます」
社内だけの会で司会を頼まれたときは「社長よりご挨拶をいただきます」でOKですが、ご来賓や取引先をお呼びしている場合は、来賓の方を立てる必要があるため、「社長の○○からご挨拶申し上げます」が正しい言葉遣いになります。
誰に向けて挨拶をするのか(社内だけの会なのか、社外の方も出席するのか)によって敬語の使い方が変わってくるので注意しましょう。
(3)「社長はゴルフをおやりになられますか」
例文には、二つの間違いがあります。一つ目は、“やる”という言葉自体がカジュアルな表現で、丁寧な言葉ではないため、目上の方に対して使う言葉として相応しくありません。
二つ目に、“お~なる”と“られる”が使われた二重敬語になっているため、NG。
「ゴルフをしますか」の“する”を目上の方に使う尊敬語に直すと、“なさる”が正しい敬語です。
敬語は一つでシンプルに、「社長はゴルフをなさいますか」が正解です。
(4)「もう酔っぱらったので結構です」
ビジネスでのお酒の席では、羽目を外さないように自分自身をきちんと管理しなければいけません。
ときには、“もうこれ以上飲むことができない”という場合もありますよね。そんなとき、あなたは何と言って断っていますか?
「もう酔っぱらったので結構です」という表現はNGではありませんが、「結構です」ときっぱり断るよりも「十分いただきました。ありがとうございます」というフレーズのほうが、とげがなくやんわり断ることができます。「ありがとう」のプラスの言葉が入っているので、嫌な印象を与えませんよ。
正しい言葉遣いや相手が不快にならない表現を今一度頭に入れて、社内・社外問わず多くの人と気持ちのよいコミュニケーションを取りましょう。
文/西谷依里子 参考文献/文化審議会答申『敬語の指針』、トキオ・ナレッジ『イラストでわかる大人のマナー&敬語常識』(宝島社) 画像/PIXTA(ピクスタ)(zon、Fast&Slow、EKAKI、つむぎ、Rina)